タレク・ブッフマン

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ホームイベントBBLセミナー2017年度 子ども格差の経済学ー塾や習い事に行ける子・行けない子 印刷 開催日 2017年6月16日 スピーカー 橘木 俊詔 (京都女子大学客員教授) モデレータ 五十棲 浩二 (RIETIコンサルティングフェロー/経済産業省大臣官房政策審議室室長補佐) 開催案内/講演概要 塾や習い事といった学校外教育の盛んな日本の教育制度を様々な角度から考察し、過度な受験戦争や学歴主義の意味、学校だけでは教育が完結しない日本の是非を議論します。また、経済的に豊かな親は子弟にスポーツや芸術の手習いをさせるだけの余裕がある一方、低所得な親の子弟はそのような学校外教育を受けられないということをどう考えたらよいかについて話します。最後に学校教育自体についても議論します。 議事録 タイトルを巡って 私はこのたび、『子ども格差の経済学:「塾、習い事」に行ける子・行けない子』という本を書きました。今日は、この本の内容を皆さまに紹介することが大きな目的ですが、本のタイトルをどうするかで、著者の私と出版社とで意見が異なりました。 私の提案は、『塾と習い事の経済学』というタイトルでした。しかし、出版社の東洋経済新報社は、『子ども格差の経済学』というタイトルにしてほしいと言ってきたのです。世の中は格差社会になっていることは事実だけれども、格差を忌み嫌う人も世の中にかなりいます。私は格差をテーマにいろいろな本を書いているため、「また格差か」といわれる危惧があったのでためらいましたが、われわれからすれば出版社は神様です。ですから、出版社の言うとおりにして、サブタイトルに「塾、習い事」という言葉を入れました。 通塾の実態 本書第1章のテーマは、「塾に行っている子と行っていない子でどの位の差がつくのか」です。塾は日本人にとって非常になじみの深い教育機関ですが、欧米には塾がありません。私は外国生活が長く、日本の教育制度を海外の人に説明するときに塾の話をすると、必ず「塾とは何か」と聞かれます。「小中高生が授業を終えた後で勉強する場が塾だ」と説明すると、「それは学校教育が悪いから設けられているのか」と言われます。学校教育が不十分なので、それを補うために考え出されたものなのかと、海外の教育専門家は発想するわけです。 そういう側面もなきにしもあらずで、日本では受験競争が熾烈で、名門の中高校や大学に行くために塾に行く生徒がほとんどです。しかし、どこの国にも名門大学はあり、私が長い間いたフランスは日本よりも激しい受験競争があります。ところが、塾はありません。学校でしっかり教育するというのが彼らの発想です。その違いを考えるに、塾というものを私なりに理解する必要があると思ったのが、私の執筆の動機でした。 灘高校という名門進学校があります。私が数年前、灘高生にアンケートを取ったところ、100%の生徒が入学前に塾に行っていました。これはすごいことで、日本では受験のために塾へ行くことが、1つのモチベーションになっているということが見えてきます。しかも、在学しながら塾に行っている人の割合が8割に上ります。これは私にとって一番の驚きでした。実は私は灘高出身なのですが、私が現役のときには学校が終わるとスポーツやクラブ活動をする人が主で、塾に行っている人はあまりいませんでした。 私がこの本を書いたとき、灘高校の校長や副校長に「現役の8割が塾に行っていますが、どう思われますか」と質問したところ、「自分たちはそんな教育はしていない。現役のときに塾に行かなくても、学校の勉強をきちんとしていれば、いい大学に行けるという自負はあるのだけれども、塾側からものすごく誘いがある」という答えが返ってきて、塾の世界にも激しい競争があるということを実感させられました。 次に、東京大学合格者ランキングトップ10の高校の生徒がどこの塾に通っていたかを見てみると、東京大学ですから、東京の塾しか出ていなくて、関西の塾は少ないです。つまり、東京大学は地方大学なのです。東京には東京大学、東京工業大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学といった名だたる名門校がありますが、出身は関東の人が半分以上なのです。勉強が最もよくできる人が東京大学に行くというのが昔からの伝統だったのですが、統計を見るとそういう事実はありません。東京の名門大学の学生は、ほとんどが地元出身なのです。 逆に言えば、地元で優秀な学生は、地元のいい大学に行っているということです。東京大学などの東京の名門大学が全国から秀才を集めているわけではありません。 しかし、塾は圧倒的に都会に多いということだけは事実です。東京圏や関西圏、あるいは仙台、札幌、福岡、広島といった十大都市に塾が多いです。一方、小中学生の学力が高い秋田県や北陸三県には、塾があまりありません。重要なのは、それらの県には私立の中高一貫校が少ないのです。だから、よくできる子は公立の小中高校を出ているのが特徴です。名門の中高一貫校や東京大学、京都大学に行くのは、関東・関西で塾に行っていた人が圧倒的に多いのです。 東京大学の新入生アンケートによると、新入生の5割が私立中高一貫校出身です。ここからも、東京大学入学者の5割が東京出身で、東京の名門中高一貫校の出身者が非常に多いことが読み取れると思います。 塾で何を学んでいるか 次の関心は、塾で何を学んでいるかです。ベネッセ教育総合研究所が実施した「学校外教育活動に関する調査」によると、教室学習活動で一番多いのは受験勉強のための塾です。2番目は英会話・英語教室で、非常に新しい現象だと思います。小学校で英語を必修にしているので、英語を学ぶ子が多いのです。あとは、習字やそろばんなどが続いています。一方、家庭学習活動では、通信教育、市販の参考書などを使った学習が多いことが分かっています。 日本で最も塾に通っている学年は、中学3年生です。全国の中学3年生が塾に通っています。秋田県や北陸三県でも公立高校の受験競争はありますから、公立高校に合格するための受験勉強を塾でしているため、割合が高いのです。つまり、関東や関西の人が考えるような中高一貫校に行くための受験塾ではなく、公立高校に行くための塾です。それから、小学6年生の通塾も多いです。これは中高一貫校に行くための受験勉強があるからです。 次に、塾に行っている子と行っていない子で、学力差がどれだけあるかという関心が出てきます。教育学には素晴らしい研究があって、通塾生と非通塾生で平均点がどれだけ違うかを同一校、同一問題で調べ、1989年と2001年を比較した調査があります。つまり、同じようなバックグラウンドを持った子どもを対象に、学力差がどれだけあるかを調査しているのです。すると、小学国語・算数、中学国語・数学のうち、小学算数以外は通塾生と非通塾生の学力差が開いてきていることが分かりました。 また、親が大学を出ているかどうかによって、子どもの家庭学習時間や学力検査の正答率にどれだけ差があるかを比較した研究もあります。それによると、父親が大卒の人の方が学力が高く、塾に通う比率も高くなっています。 親の年収差による学力差 次に、保護者の年収と正答率の関係を見てみると、保護者の年収が200万円以下の人と1500万円以上の人とでは、平均点で20点以上の差があります。しかし、これをもって親が高所得の子どもの学力が高いと、ストレートに言えないのは当たり前です。 子どもの学力には、いろいろな側面があります。まず1つ目に、本人の能力です。端的に言えば、本人の頭の良さが当然、学力に響きます。2つ目は、本人がどれだけ勉強するかです。勉強する子の方が、学力が高くなるのは当たり前で、学力を決めるのは本人の努力です。3つ目に、学校の質です。質のいい子がたくさん集まっている学校は、やはり教育がいいので、学力が高くなります。そして4つ目に、塾に通っているか、通っていないかが影響します。したがって、データがあれば、こうしたことを総合的に勘案して、子どもの学力の違いの要因として何が一番重要かは研究できるのです。 ところが、日本ではIQ(知能指数)が絶対非公表という規定になっています。アメリカではIQを活用できます。だから、アメリカでは、子どもの学力は何で決まるかという研究ができます。アメリカはそういうデータの活用が非常に進んでいますが、日本にはデータがないので、それができません。 また、世帯年収別に学校外諸活動の出費額を見ると、ショッキングな数字が浮かび上がります。学校外活動には、塾や習い事、ピアノ、水泳、英会話などいろいろなものがありますが、世帯年収によって出費額がかなり違います。とくに都会に限定すると、中学受験予定者の学校外教育の支出額が圧倒的に多いです。これは、灘高校の新入生全員が塾に行っていたことの裏返しでもあります。このように、親の年収の差によって、塾や習い事がどれだけできるかが決まってきます。 学校外活動の実態 第2章は「ピアノやサッカーなどの習い事はどのような効果があるのか」というテーマです。スポーツ活動で圧倒的に多いのはスイミングです。あまりお金がかからないというメリットもあり、多くの人が習いに行っています。次がサッカー、体操、硬式テニスです。 野球は意外と少なく、今や少年スポーツは野球よりもサッカーが多いです。しかし、スポーツ選手としての稼ぎは、サッカー選手よりも野球選手の方がはるかに多いという統計が出ています。サッカーの場合、香川真司や長友佑都、本田圭佑のような選手でも、稼ぎはせいぜい数億円です。ところが、野球で成功した田中将大や松井秀喜、イチローは数十億円と桁違いです。テニスの錦織圭は現在30億円ぐらいです。トップスポーツ選手になって稼ぎたいのであれば、サッカーはあまりよくありません。 では、なぜ多くの子どもがサッカーをするのかを調べてみました。サッカーは、体格がそれほど大きくなくてもできるからです。野球選手は、ごつい体格の人が多いです。サッカーは、小柄な人でもトレーニングを積めば世界で活躍できるところに、少年がサッカーをやりたい理由があると思います。 当然、女の子もいろいろな習い事をしています。女の子はピアノやオルガン、バイオリンなどの楽器が圧倒的に多く、ダンス、バレエなどが続きます。大きく分ければ男子はスポーツをしたがり、女子は芸術分野の習い事をしたがります。無意識のうちに男子は体育、女子は芸術という区分けがあるのかもしれません。 第2章では、成功したプロ野球選手のキャリアも追っています。田中将大は兵庫県伊丹市の出身です。地元の少年野球クラブに所属していましたが、北海道の駒大苫小牧高校に野球留学しました。それから楽天に入り、とんでもなく良い成績を上げて、ニューヨークヤンキースに入団しました。 芸術活動では、五嶋みどり・龍姉弟のことも書いています。五嶋姉弟は母親がバイオリニストで、娘にバイオリンを教えるため母娘2人で渡米し、みどりさんはニューヨークの音楽学校に通いました。プロとして一流になろうと思ったら、そういうキャリアを目指さなければならないということが分かります。ピアニストの辻井伸行さんについても書いていますので、ご関心のある方は本を読んでいただきたいと思います。 教育にいくらかかるのか 第3章は、学校教育と学校外教育でどれだけの費用をかけているかというのがテーマです。幼稚園児(3歳)の頃から高校3年生までに、どういう種類の学校に通うとどれだけ費用がかかるかを、6つのケースに分けて算出してみました。幼稚園から高校まで全て公立を出た人が523万円で最も少なく、幼稚園から高校まで全て私立を出た人は1770万円で最もかかっています。 次に、大学にも国立、私立文系、私立理系、私立医歯系などいろいろあるので、種類別に教育費と生活費の総額を計算し、自宅生・下宿生別でも算出してみました。一番お金がかかるのは私立医歯系で、6年間で数千万円払わなければなりません。しかし、私立の医科大学に通う学生の大半は親が医者で、医者にはお金持ちが多いので教育への出費は何の苦痛もなく、資金を一生懸命つぎ込んでも医大に行ってほしいと願います。 一方、授業料がとても安いのは国立大学です。国立大学は理系・文系で授業料に差がなく、医学部も同じです。ですから、たとえば地元の公立高校を出て信州大学の医学部に入ると、ものすごく安く収まります。その代わり、信州大学の医学部は難しいでしょうから、ものすごくお金をつぎ込んで塾に行かせたり、家庭教師をつけたりします。 そういうことができるのはお金持ちの医者だけだという側面もあり、私立大学は文系、理系、医歯系で授業料がかなり異なることから、私は差をつけない方に賛成なのですが、現在、国立大学の文系、理系、医歯系でも授業料に差をつけるべきかどうかという問題提起がなされています。 なぜ日本は教育を親任せにしたのか 結論は第4章です。日本の教育で公共部門が関与するのは義務教育だけで、小中学校の教育には国が関与しますが、あとは全て親任せです。学校外教育にいたっては全額が親任せです。学校外教育の塾や習い事の費用を国が出すことはあり得ません。 学校教育も、高等学校以降は授業料が必要です。大学にいたっては、私たちのときは国立大学の授業料は年額1万2000円でしたが、今は53万円です。私が調べたところ、国立大学の授業料の値上げ率が、他のどの物価よりも高くなっています。 国立大学の授業料は高いのか安いのかということが論点となる一方で、今、安倍首相は国立大学の無償化を検討しています。理想は非常にいいのですが、私は財源がどれだけ必要かというところまで議論していないことが不満です。財源をどう調達するかを説明してから、大学の無償化を主張すべきです。 最後に、世界各国の学校教育費の対GDP比率を見ると、日本は圧倒的に公的部門が支出していなくて、逆に家計に負担を押しつけています。経済協力開発機構(OECD)加盟国に限定すると、日本の対GDP比率は最低水準です。わが国は、先進国の中で最も公的な教育支出をしていない国と言っていいと思います。 本書では、公的教育支出を増やせという論理を展開しています。つまり、親に教育を押しつけるのではなく、公平性の観点から、親の所得の低い人がいい教育を受けられないという状況を補うためには、国がもっと教育支出をして、どんな子どもでも教育を受けられるようにすることが必要だと訴えているのです。 質疑応答 モデレータ: 教育の格差を補うには国が教育支出をすべきだというご意見でした。教育財源確保に関しては、子ども保険や教育国債、あるいは奨学金を充実すべきといった議論があると思いますが、ご意見をお願いします。 A: 子ども保険や奨学金は、給付制か貸与制かというのが非常に微妙なところです。子ども保険の場合、保険料を払うのは現役の労働者だけになります。そういう人から保険料を徴収するのはいかがなものかと思います。教育や社会保障はむしろ税金で負担するのがベターです。全ての国民が負担する方が公平性は高いので、消費税で賄うべきというのが私の持論です。 奨学金は、日本では給付制に対する希望が強いのですが、私は、貸与制を主張しています。給付制は一見公平ですが、とんでもない大金持ちの人も返さなくていいのです。貸与制は、お金持ちになった人だけでもいいと思います。奨学金の恩恵を受けて、いい教育を受けて、いい学校を出て、高い所得をもらった人が、その一部を国に返す方が公平だという論理です。したがって、公平性を考えると、給付制の奨学金は逆進性があるのです。 貸与型を主張するもう1つの論理は、財源の問題です。給付型では払いっ放しですが、貸与型では返ってくるので、次の世代のための財源に使えます。これはものすごく魅力です。それから、貸与型は、給付される人の数を増やせるというメリットもあります。 モデレータ: 学校外教育の格差について、国はどこまで関与すべきでしょうか。 A: 学校外教育に国が関与することは無理です。習い事に関して、親の年収によって差がつくのはやむを得ないという見方です。塾に関しては、やはり学力に非常に関係があるので、全ての階層の子どもが平均的に学力が高まる制度が望ましいのであれば、塾に行く子にも国がバウチャーを払って、多少支援すれば学力の向上に役立ちます。 Q: 通塾にバウチャーを与えると、教育外の部分に頼ることになると思うので、むしろ学校教育の中で主体性を持って質を変えていくことをやっていくべきだと思います。 A: 私の理想は、学校教育が充実している秋田県や北陸三県のような姿です。大都会でも塾を徐々に減らして、塾の先生を学校で雇い、学力を上げる対策を普通の小中高校で行えばどうでしょうか。 Q: 今や半数以上は大学に進学している状況ですが、中にはあまり就職に役立つとはいえない学部もたくさんあります。こういったところに進学を希望する方にも公的支援をすべきなのでしょうか。 A: 大学教育は、もっと実務に役立つことを教えてほしいです。しかし、日本では、文部科学省が「文系廃止」と言ったときも、「高等教育は稼ぐ人ばかりを出すことが目的ではない」という反論がかなり強かったです。ですから、時間はかかるかもしれません。 Q: 就業構造全体を考えたときに、そもそも全員が高等教育を受ける必要があるのでしょうか。 実務教育であれば、専門学校や高専と役割分担を目指した方がいいのではないでしょうか。 A: 専門学校で実務を学んで、ちゃんとした働き手として有能な人に育ってほしいという意見には賛成です。日本で大学進学率が高いのは、世間から尊敬を集めることを重視して、自分の子に大学教育を受けさせたい親が多いからです。大学に行きたいのであれば行くのは自由ですが、大学に行って何も身に付かなければ、それは本人の責任です。 モデレータ: 恐らく今の論点は、先ほどの質問にあった大学教育にどこまで公費を投入するべきかという論点と関わってくるように思います。 A: 今は18歳人口の50%以上は大学教育を受けているので、全額公費は不可能です。 モデレータ: その点では、大学教育に公費を投入する上で、大学の経営努力を促す何らかの環境整備も同時に考えることが必要かと考えます。 Q: 大学に入ってからの奨学金も大事ですが、大学に入る前段階で格差を是正するような措置も必要だと思います。そういったところにも何か政策的な余地はないでしょうか。 A: 理想は、学校教育で完結することです。塾の先生を学校教育で非常勤講師として雇ったり、塾でしていることを学校教育の段階で充実させるような策を取ることです。 Q: 教育の問題は、ベーシックインカムと同じような形で処理しないと、相当まずいと思っています。先生には、国がもっと教育に支出するための議論をさらに進めていただきたいと思います。 A: ベーシックインカムは理想論として私も賛成ですが、財源調達が不可能です。働いていない人にもお金を出すことは、日本人は絶対に許さないと思います。 Q: あまり実務に役立たないような大学がたくさん存在するという議論が今日も多く出ていますが、日本の産業構造は大きく変わり、昔は高卒で働いてもそこそこ給料をもらえる仕事があったのに、今はどんどんなくなっているのが現実です。だから、仕方なく大学に行く学生が多いわけです。そもそも産業構造をどうすればいいかという問題の答えを出さなければならないのは、経済産業省の方々のはずです。 モデレータ: 高等教育と産業界両方の課題だと考えています。とくに産業界の人材採用における部分で、経産省として検討すべきことは相当程度あると思っています。一方、少子化が進み18歳人口が減少している中で、数多く存在している大学が現状のままで良いのかという課題もあり、雇用の問題、教育の問題も含めて考えていく必要があると考えています。 この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。 イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 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6010005005426) 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、経済産業研究所としての見解を示すものでは有りません。掲載している肩書や数値、固有名詞などは、原則として初掲載当時のものです。当サイトのコンテンツを転載される場合は、事前にご連絡ください。 "ページの先頭へ戻る

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